25〜50号
4、5歳の頃から絵の手ほどきを受けて育った東山は、絵が好きで好きでたまらず、9歳から水彩画と石膏デッサンを習い始めていた。将来の為になるのだからと、漠然とではあるが、絵描きになりたいと言う夢を、この頃から持ち始めていたようである。しかし、当時戦争が激しくなって行く中で、とても絵など描いていられるような雰囲気では無く、せっかく志望した画家への道も、永久に閉ざされるのではないのだろうかと心配であったと言う。そんな戦時中、13歳の時に「自分は、一生迷わず絵描きの道を貫き通そう。」と固く決心する事になる、決定的な、ある出来事があったと言う。
そして、戦争が段々長期化の様相を呈してきた14歳の時に、日本画家に弟子入りし、本格的にプロの画家になる為の、絵画修業の道に入るのである。