スケッチ
全て4号
「私の作画は、一にも二にも写生で始まっています。1年の半分以上は、写生に出歩いています。後の3分の1は、旅館や民宿の静かな部屋を借りてそこに籠り、今まで描いたスケッチブックを資料にして墨絵の制作に没頭するのです。ちょっと写生を怠けると、次に描く墨絵のネタが切れてしまうのです。そんな事にならないように今日もまた、新たな感動を求めて写生に出かけます。」と言って、たゆまず写生を続けていた。自然の風物の四季折々の変化が、東山を家に留めて置かなかったのである。1枚また1枚と写生を重ねることによって、心の中にだんだんと「絵」が出来上がっていくと言う。